「うちの子、やる気はあるのに続かない…」
「もう少し頑張れそうなのに、すぐにあきらめてしまう」
そんなふうに感じたことはありませんか?
子どもが努力しているのに伸びない原因は、才能や根性ではなく、
「挑戦のレベル設定」にあることが多いです。
心理学には「グロースエッジ理論(成長の最適ゾーン)」という考え方があります。
これは、“今の力よりも少しだけ難しいこと”に取り組むと、脳が最も成長し、やる気も高まるという理論です。
この記事では、教育心理学の視点から、
子どもの「やる気」と「成長」を最大化する“ちょうどいい挑戦”の作り方を解説します。
がんばっているのに伸びないのはなぜ?
どんな子でも、「簡単すぎること」ばかりしていたら、すぐに飽きてしまいます。
逆に、「難しすぎること」に挑戦すると、不安になり、「自分にはムリ」とあきらめてしまいます。
この「退屈」と「不安」のあいだにあるのが、
成長が最も起こるゾーン=グロースエッジです。
教育心理学やスポーツ心理学でも、「挑戦の最適レベル」がやる気や学習効果を左右することが多くの研究で分かっています。
たとえば:
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スポーツでは「ギリギリ届きそうな目標」を設定する選手ほど上達が早い
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学習では「少し難しい問題」に取り組む子ほど集中力が高まる
つまり、子どもを伸ばす秘訣は、“ちょうどいい挑戦”をデザインすることです。
グロースエッジ理論とは?
グロースエッジ理論とは、
「人は、今の実力より少し上の課題に取り組むときに最も成長する」という心理学的考え方です。
これは、ポジティブ心理学者チクセントミハイの フロー理論(没頭の心理)にも通じます。
人が夢中になって能力を発揮できるのは、
「難しすぎず、簡単すぎない」バランスのとれた課題に向き合っているときです。
成長ゾーンのイメージ
【状況】→【感情】→【成果】
△簡単すぎる → 退屈・飽きる → 成長しにくい
◎ちょうどいい→ 集中・やる気UP→ 成長が最大化
△難しすぎる → 不安・挫折 → 続かない
この「ちょうどいいゾーン」を意識するだけで、
子どもの勉強・スポーツ・習い事、あらゆる分野で“伸びる力”が変わります。
子どもが“最適ゾーン”にいるときのサイン
では、子どもが今「グロースエッジ」にいるかどうかは、どのように見極められるでしょうか?
次のようなサインが見られるとき、まさに成長の真っ只中です👇
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「ちょっと難しいけど、やってみようかな」と言う
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失敗しても笑って再挑戦できる
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時間を忘れて集中している
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「できた!」と達成感のある表情を見せる
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少しのアドバイスで自分から工夫し始める
反対に、「すぐに投げ出す」「全然やる気を見せない」ときは、
難易度が高すぎるか、低すぎる可能性があります。
◎ 親として大切なのは、「苦戦している=悪いこと」と思わないこと。
子どもが悩みながら考えている時間こそ、脳が最も活性化している瞬間なのです。
“ちょうどいい挑戦”を作る3つのコツ
では、家庭でどのように「成長ゾーン」を作れるのでしょうか?
ここでは、すぐに実践できる3つのコツを紹介します。
① レベル設定は“7割できる課題”が目安
子どもが「7割くらいはできるけど、あと少し難しい」課題がベストです。
たとえば、計算ドリルなら「前の単元より少しステップアップ」くらい。
7割成功・3割挑戦のバランスが、最も集中力を引き出します。
② 小さな成功体験を積ませる
大きな達成よりも、「小さなできた!」をたくさん感じさせることが大事です。
「ここまでできたね」「さっきより早くできたね」など、
過程を具体的にほめることで、自己効力感が高まります。
③ 失敗のフォローは“過程を認める”
失敗したときは、結果ではなく「取り組み方」に注目して言葉をかけましょう。
△「また間違えたでしょ!」
〇「工夫してたね」「前より考える時間が増えたね」
このような声かけは、
子どもに「挑戦していいんだ」と安心感を与え、再チャレンジを促します。
親の関わり方で変わる! 成長ゾーンの支え方
子どもが挑戦しているとき、親の関わり方がやる気を左右します。
ここでは、モチベーションを下げないための関わり方を紹介します。
やる気を引き出す声かけ例
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「ちょっとだけやってみようか」
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「ここまでできたね。次はどうしようか?」
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「今のやり方、いいね」
このように“命令ではなく、共感+提案”の形で伝えると、
子どもは自然と自分で動き出します。
すぐ助けない勇気を持つ
子どもが「できない〜」と言ったとき、
すぐに手を出すより、少しの沈黙を大切にしましょう。
子どもが「もう少し自分でやってみよう」と思う時間を奪わないこと。
その時間こそが、挑戦力を育てる最大のチャンスです。
まとめ:挑戦の先にしか、成長はない
子どもが「ちょっと背伸び」したとき、脳も心も大きく成長します。
成長ゾーンにいる子は、結果よりも「やってみたい」という感情で動いているのです。
親がすべきことは、教え込みでも管理でもなく、
“挑戦を見守る姿勢”を持つこと。
そして、子どもが「難しい!」と感じるその瞬間に、
「大丈夫、今まさに成長してるね」と言える親でありたいですね♪♪
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