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子どもの自立は“ちょっとの手助け”から始まる ~スキャフォールディング(足場かけ理論)とは~

「手伝ってあげたいけど、やりすぎかな?」
「放っておくと心配だし…」

子育てをしていると、こう感じたことはありませんか?
勉強、習い事、身支度、友達関係——。
子どもの成長を支えたいけれど、“どこまで助けるべきか”のさじ加減は本当にむずかしいですよね。

そんなときに役立つのが、教育心理学の中で知られている 「スキャフォールディング理論(足場かけ理論)」 です。

これは、親や教師が「必要なときに少しだけ手を貸し、できるようになったら一歩引く」という関わり方。
まるで建物を建てるときの“足場”のように、成長を支える考え方です。


スキャフォールディング(足場かけ理論)とは?

この考え方は、アメリカの心理学者 ジェロームブルーナ によって提唱されました。

たとえば、子どもが新しいことを学ぶとき、いきなり一人でできるとは限りません。
最初は誰かの助けが必要です。

でも、ずっと手伝い続けてしまうと「自分でできた!」という感覚が育ちません。

だからこそ——
① 最初に支える → ② 一緒にやる → ③ 一人でできるようにする
この流れを意識することが大切なんです。

これが“足場かけ”の基本の形。
サポートの量を「少しずつ減らしていく」ことが、子どもの自立につながります。


家庭でできる「足場かけ」の実践例

ここでは、日常の中でできる「足場かけ」のコツを紹介します。

<勉強の場面>

△「早く宿題やりなさい!」
〇「最初の1問だけ一緒にやってみよう」
→ 小さなきっかけが“自分でできる気持ち”を育てます。

<生活習慣の場面>

△「いつまでたっても準備ができない」
〇「明日の服を一緒に選ぼうか」→「次は自分でできる?」
→ だんだんと“任せるステップ”をつくることがコツ。

<人間関係の場面>

△「そんなこと気にしないの!」
〇「そうだったんだ。悲しかったんだね」
→ 感情を受け止める“心の足場”を作る。

親の関わり方ひとつで、子どもは「安心して挑戦できる環境」を感じます。


やりすぎ?やらなさすぎ?失敗しやすい2つのパターン

スキャフォールディングがうまくいかないとき、多くの家庭では次のどちらかに偏っています。

①「支えすぎ」タイプ

・全部手伝ってしまう
・失敗しないように先回りしてしまう
→ 結果、子どもが“自分で考える機会”を失ってしまいます。

②「放任しすぎ」タイプ

・「自分でやりなさい」と突き放す
・失敗しても助けない
→ 安心感が得られず、挑戦を怖がるようになります。

どちらもバランスが大切。
理想は、「見守りながら必要なときにだけ支える」 ことです。


年齢別・足場かけのコツ

🧒 小学生

・「一緒にやってみよう」の姿勢で成功体験を増やす
・小さな達成をたくさん褒める

👦 中学生

・口出しより「質問」で導く
・「どう思う?」「次どうしたい?」と考える力を促す

👧 高校生

・任せる勇気を持つ
・失敗しても信じて見守る

親が“信頼して見守る”ことも、立派な足場のひとつです。


まとめ:親の「足場」は、子どもの成長の土台になる

スキャフォールディング理論は、子どもの自立をサポートするシンプルで効果的な考え方です。

親ができるのは、「全部やってあげる」ことでも「放っておく」ことでもありません。
「今の子どもにちょうどいい支え方」を見つけること。

子どもが自分で考え、挑戦し、できるようになるその瞬間——
それこそが、親の“足場”がうまく機能した証拠です。

今日から、子どものそばで“小さな足場”を作ってみませんか?


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