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【何度言っても片付けない】子どもが片付けられない理由 ~自分でできるようになる関わり方~

「何度言ったら片付けるの?」

「出したら片付けてって、何回も言ってるよね」

気づけば今日も、

子どもが散らかしたおもちゃを、

親が片付けている。

そんなことはありませんか?

本当は、子ども自身に片付けてほしい。

自分でできるようになってほしい。

でも、何度言っても動かない。

すると、

「この子は片付けが苦手なのかな」

「自分から動く気がないのかな」

と、心配になってしまいますよね。

小1から中3までの子どもたちと

関わる中で、何度も感じたことがあります。

「片付けなさい」と言われても、
なかなか動けない子には、
その子なりの理由がある

ということです。

大人からすると、

「出したものを元に戻す」

それだけのことに思えます。

でも、子どもにとっては、

「何を片付ける?」

「これはどこに戻す?」

「どこから始めよう?」

「まだ遊びたいけど、
もう終わりにしないといけない」

と、いくつものことを

同時に考えなければなりません。

必要なのは、

叱って動かすことよりも、

「どうしたら、この子が自分で
片付けられるだろう?」

と考えてみること。

片付けやすい環境をつくり、

最初の一歩を小さくする。

そして、少しずつ自分に任せていく。

そんな関わり方が、

「片付けなさい」と言われなくても

自分で動ける力につながっていきます。

ここからは、

子どもが片付けられない理由と、

家庭でできる具体的な関わり方をご紹介します。


「片付けなさい」で動けないのはなぜ?

子どもが散らかった部屋を見ても、

なかなか片付け始めない。

そんなとき、

「やる気がないのかな」

と思ってしまうかもしれません。

でも、実は「片付けなさい」という指示が、

子どもにとっては大きすぎることがあります。

例えば、

机の上に教科書、プリント、鉛筆、消しゴム、

おもちゃなどがたくさん置かれていたとします。

大人なら、

「これは机の引き出し」

「これはおもちゃ箱」

と判断できます。

でも子どもは、

「これはどこ?」「これはどうする?」

と迷うかもしれません。

そして、考えているうちに、

別のおもちゃを見つける。

そのまま遊び始める。

結果として、

「いつまでたっても片付けない」

ということが起こります。

つまり、

片付ける気がないのではなく、片付け方が分からない。

そんな場合もあるのです。


学校でも「片付け方」が分かると動ける子がいました

学校でも、

授業の後や休み時間の後には、

片付ける場面があります。

「片付けましょう」

と伝えただけで、

すぐに動ける子もいます。

一方で、周りを見ながら、

何をすればよいのか分からず、

その場に立っている子もいました。

そんなとき、

「早く片付けて!」

と急かすより、

「まず教科書を机の中に入れよう」

「次に鉛筆を筆箱に戻そう」

と、一つずつ伝えると、

動き始めることがあります。

そこで感じたのは、

「できない子」なのではなく、「最初の一歩が見えていない子」がいる

ということです。

家庭でも、同じことが起こります。


子どもが片付けられない5つの理由

① 「どこから片付ければいいか」が分からない

散らかった状態を見たとき、

大人は全体を見ながら、

優先順位をつけることができます。

でも、

子どもにとっては、

物が多いほど、

「どこから始めればいいの?」

となりやすくなります。

そんなときは、

「全部片付けて」

ではなく、

「まずブロックを箱に入れよう」

と、最初の一歩を小さく示す。

一つ片付けば、

次の行動にも移りやすくなります。


② 「物の住所」が決まっていない

片付けようとしても、

「これ、どこに置けばいいの?」

となる家庭もあります。

おもちゃの収納場所が、

その時々で変わっていたり、

収納場所がいっぱいだったりすると、

子どもは迷います。

だから、

物にはできるだけ、

「戻る場所」を決めておく。

「ブロックはこの箱」

「ぬいぐるみはここ」

「学校のプリントはこの場所」

というように、

迷わず戻せる仕組みをつくることが大切です。

片付けの上手さより、

片付けやすい環境があるか。

そこも見直すポイントです。


③ 遊びを終えるのが難しい

子どもにとって、

遊びはとても楽しい時間です。

夢中になっているところで、

「はい、片付けて!」

と言われても、

気持ちがすぐに切り替わらないことがあります。

これは、

「言うことを聞かない」

というより、

楽しい活動から別の活動へ移ることに時間がかかっている

場合があります。

そんなときは、

「あと10分で片付けよう。」

「この遊びが終わったら片付けよう。」

と、終わりを少し前に伝えておく。

突然、「今すぐ片付けて!」

となるより、

心の準備がしやすくなります。


④ 物が多すぎて、片付ける場所がない

片付けようと思っても、

収納場所にもう物が入らない。

そんな状態では、

子どもだけで片付けるのは難しくなります。

「片付けなさい」と言う前に、

「そもそも、戻せる場所があるかな?」

と見てみることも大切です。

収納を増やすことも一つですが、

必要以上に物を増やさないことも大切です。

子どもと一緒に、

「最近使ってないものはどれかな?」

と見直してみる。

片付ける力だけでなく、

物を選ぶ力を育てる経験にもなります。


⑤ 「片付け=怒られる時間」になっている

毎日のように、

「片付けなさい!」

「まだ散らかってる!」

「何回言わせるの!」

と注意されていると、

子どもの中で、

片付け=怒られる

というイメージができてしまうことがあります。

そうなると、

「片付けなきゃ」と思うより、

「また怒られる」という気持ちが先に出てしまう。

もちろん、毎日忙しい中で、

何度も散らかされれば、

親のイライラ度もどんどん溜まっていく…

だからこそ、

叱る回数を減らすためにも、

子どもが自分で片付けやすい仕組みを先につくる

ことが大切です。


家庭でできる5つの関わり

① 「全部片付けて」ではなく、一つだけ伝える

「部屋を片付けなさい」

という指示は、

子どもにとっては かなり大きな課題です。

そこで、

「まず、床にある本を本棚に戻そう」

「次はブロックを箱に入れよう」

と、一つずつ伝えてみます。

最初の行動が分かれば、

子どもは動き出しやすくなります。

慣れてきたら、

「次は何を片付ける?」

と、子ども自身に考えてもらう。

少しずつ、

親の指示を減らしていきましょう。


② 「どこに戻すか」を一緒に決める

片付けが苦手な子には、

「ちゃんと片付けて」

より、「これはどこに戻したら分かりやすいかな?」

と聞いてみるのもおすすめです。

子ども自身が決めた場所なら、

覚えやすくなります。

「ここなら自分で戻せそう」

という場所を、

一緒につくっていきましょう。


③ 片付けの時間を決める

「散らかったら片付ける」

だけではなく、

毎日の生活の中に、

片付けるタイミングをつくる方法もあります。

例えば、

「夕食の前に5分」

「寝る前におもちゃを戻す」など。

毎回親が、

「片付けなさい!」

と言わなくても、

「この時間になったら片付ける」

という習慣につながっていきます。


④ 最初の一歩は一緒にやる

「自分でやりなさい」

と言うことも大切ですが、

最初から全部一人でやらせる必要はありません。

「一緒に始めよう」

と、親も一つだけ片付ける。

すると、

子どもも動き始めやすくなります。

大切なのは、

親が最後まで片付けてあげることではありません。

「始めるところを支える」

ということです。


⑤ 「早く終わったこと」より「自分で動いたこと」を認める

「今日は早かったね!」

も嬉しい言葉ですが、

それだけではなく、

「自分で片付け始められたね」

「どこに戻すか、自分で考えたね」

「最後まで自分でできたね」

と、行動の中身を見るようにしたいです。

子どもが育てているのは、

片付けそのものだけではありません。

自分で考えて、行動する力です。


「片付けなさい」を減らすことが、自立につながる

親としては、

「何度言えば分かるの?」

と思うことがあります。

でも、何度言っても変わらないのであれば、

子どもを変えようとする前に、

仕組みを変えてみる。

それも一つの方法です。

「何を片付ける?」

「どこに戻す?」

「いつ片付ける?」

「どこから始める?」

この4つが、

子どもの中で分かりやすくなっているか。

一度、見直してみてください。

そして、最初から完璧を求めなくて大丈夫です。

今日は、おもちゃを一つ戻せた。

明日は、自分から片付け始めた。

その小さな積み重ねが、

やがて、「自分で片付けられる」

につながっていきます。


片付けができる子にすることがゴールではありません

片付けができるようになる。

もちろん、

生活するうえでは大切な力です。

でも、子どもたちを見てきて、

それだけが大切なのではないと思っています。

片付けを通して育てたいのは、

「自分で考えて、自分で動く力」です。

散らかったものを見て、

「まずこれをやろう」と考える。

「これはここに戻そう」と判断する。

「あと5分で終わらせよう」と見通しを持つ。

そして、自分で行動する。

これは、学校生活でも、勉強でも、将来の生活でも、

必要になる力です。

だからこそ、

「片付けなさい!」

と何度も言うことだけが、

子どもを育てる方法ではありません。

片付けやすい環境をつくり、最初の一歩を支え、少しずつ自分に任せていく。

その繰り返しが、子どもの自立につながっていきます。


おわりに

毎日、子どもが散らかしたものを見ていると、

「どうして自分から片付けられないんだろう」

と思ってしまうことがあります。

でも、子どもが片付けられないとき、

「だらしない」と決めつける前に、

少しだけ、その子の目線から見てみてください。

何から始めればいいか、分からないのかもしれません。

戻す場所が、分からないのかもしれません。

まだ遊びたいのかもしれません。

片付ける量が、多すぎるのかもしれません。

そして、

「片付けなさい」と言われることに、

疲れているのかもしれません。

だから、

今日からできることを一つだけ。

「全部片付けて!」

ではなく、

「まず、これを一緒に戻そう」

と声をかけてみる。

その小さな一歩からで十分です。

片付けられる子を育てるのではなく、自分で考えて動ける子を育てる。

そんな視点で、

毎日の「片付け」を見直してみてはいかがでしょうか。


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【朝ごはんが終わらない】食べるのが遅い子ども ~朝の時間に余裕をつくる関わり方~

朝ごはんを食べ終わるまでに、

30分、40分……。

時計を見るたびに、

「もう時間ないよ」

「早く食べて!」

と声をかけてしまう。

本当は、ゆっくり食べさせてあげたい。

「早くして」と言いたいわけでもない。

でも、登校時間は決まっています。

親だって、朝から仕事や家事があります。

だからこそ、

朝の時間に余裕がなくなると、

つい子どもを急かしてしまう…

これは、「親の声かけが悪い」

という話ではありません。

毎朝の時間が決まっているからこそ、

「早くして」が増えてしまう。

そんなご家庭も、少なくないと思います。

では、朝ごはんを食べるのが遅い子には、

どう関わればいいのでしょうか。

小1から中3までの子どもたちと関わる中で感じてきたのは、

「食べるのが遅い=だらしない」ではない

ということです。

朝の食事に時間がかかる背景には、

その子なりの理由があります。

そして、その理由を少し見直すだけで、

親子の朝がラクになることがあります。


「早く食べて!」だけでは変わりにくい理由

朝ごはんに時間がかかっていると、

大人はつい、

「早く食べればいいのに」

と思ってしまいます。

でも、子どもからすると、

「早く」と言われても、

何をどう変えればよいのか、

分からないことがあります。

一口を早くするのか。

食べる量を減らすのか。

テレビを見るのをやめるのか。

そもそも、まだお腹が空いていないのか。

原因によって、必要な関わり方は違います。

だから、

「どうして食べるのが遅いの?」

と責める前に、

「何に時間がかかっているのかな?」

と見てみることが大切です。


学校現場で感じていたこと

学校では、

毎朝、子どもたちが教室に入ってきます。

そこで見えていたのは、

「朝、どんな過ごし方をしてきたか」

によって、

教室に入ってきたときの様子にも違いがあるということでした。

余裕をもって登校してきた子は、

席について、「おはよう!」

と友達と話したり、朝の準備をしたり。

比較的落ち着いて、

学校生活を始めていることがあります。

一方、

ギリギリに駆け込んできた子は、

ランドセルを置き、準備をしながら、

少し慌ただしそうにしている。

もちろん、

朝の過ごし方は家庭の中のことなので、

学校からすべてが分かるわけではありません。

ただ、

朝の時間に余裕があることが、子どもの気持ちにも影響する

ということは、教室で何度も感じていました。

だからこそ、

朝ごはんを食べるのが遅い子に、

「もっと早く食べなさい」

だけを繰り返すのではなく、

どうすれば朝の時間そのものに余裕をつくれるのか

を考えてみることが大切なのだと思います。


朝ごはんを食べるのが遅い子に考えられる5つの理由

① 朝はまだ体が目覚めていない

起きてすぐ、

「さあ、朝ごはんを食べよう!」

と言われても、

なかなか食欲が出ない子もいます。

朝、起きてから食卓につくまでの時間が短いと、

体も気持ちも、まだ「食べる準備」ができていないことがあります。

その状態で、「早く食べて!」と言われても、

本人にとっては 頑張っているのに進まない

ということもあります。

まずは、起床から朝食までの時間を少し見直してみる。

顔を洗う、着替える、カーテンを開ける、

少し体を動かす。

そんな時間をつくることで、

食事に向かいやすくなる子もいます。


② 朝食の量が、その子に合っていない

「朝はしっかり食べてほしい」

そう思うのは、自然なことです。

でも、大人が「これくらいは食べてほしい」と思う量と、

子どもが朝に食べられる量が、同じとは限りません。

量が多ければ、

当然、食べ終わるまでに時間もかかります。

もちろん、食事量については、

成長や体調なども関係するので、

一律に「減らせばいい」という話ではありません。

ただ、

「毎日同じ量を出す」ことにこだわりすぎない

という視点は持っておきたいところです。


③ 食事中に気が散っている

テレビや動画を見ながら、

おもちゃを触りながら、

話をしながら。

食事以外に気持ちが向いていると、

当然、食べることにかかる時間は長くなります。

ただ、ここでも、

「テレビは禁止!」

だけで終わらせる必要はありません。

大切なのは、

食べることに集中しやすい環境をつくること。

例えば、

朝だけテレビを消してみる。

スマートフォンを食卓から離す。

食卓の上をすっきりさせる。

それだけでも、

食事に向かいやすくなることがあります。

「どうして食べないの?」

と叱る前に、

「食べること以外に気を取られるものはないかな?」

と、環境を見直してみるのも一つです。


④ 時間の感覚がまだ育っていない

大人なら、

「あと15分しかない!」

と時計を見れば、

どれくらい急げばよいか、

ある程度イメージできます。

でも、小学生にとって、

「あと15分」

がどれくらいなのかは、

まだ分かりにくいことがあります。

だから、親が、

「早く!」「急いで!」と何度言っても、

本人の中では、

「そんなに急がないといけないの?」

となっていることもあります。

これは、

やる気の問題ではなく、

時間の見通しを持つ力が育っている途中

とも考えられます。


⑤ 食べることより、他のことに気持ちが向いている

朝は、子どもにとっても、

いろいろなことが頭に浮かびます。

「今日は体育がある」

「昨日の続きで遊びたい」

「友達と何を話そう」

「学校に行きたくないな」

そんな気持ちを抱えていることもあります。

大人からすると、

「まず朝ごはんを食べればいいのに」

と思いますが、子どもの頭の中では、

食事以外のことが大きくなっていることがあります。

だから、食卓に座っていても、

気持ちがなかなか食事に向かない。

そんなこともあります。


家庭でできる5つの関わり

① 「早く」ではなく、終了時間を伝える

「早く食べて!」

と言う代わりに、

「7時30分になったら片付けようね。」

と、終わりの時間を具体的に伝えてみます。

「早く」という言葉には、

具体的な行動がありません。

一方、

「7時30分までに食べ終わる」なら、

子どもにも目標が分かります。

最初は、時計を一緒に確認するのも有効です。

「今7時15分だから、あと15分だね。」

と、時間を見えるようにする。

その経験を重ねることで、

少しずつ、自分で時間を意識できるようになります。


② 「食べる量」を一度見直してみる

朝食に時間がかかる場合、

一度、

「そもそも量はこの子に合っているかな?」

と考えてみることも大切です。

もちろん、

成長期の子どもに必要な食事量は、

一人ひとり違います。

栄養面で心配がある場合は、

小児科や管理栄養士など、

専門家に相談することも大切です。

そのうえで、

家庭でできる工夫として、

子どもが無理なく食べられる量や、

食べやすいメニューを考えてみる。

「全部食べなさい」

だけではなく、

気持ちよく食べ終えられる経験を増やす

という視点も大切です。


③ 食事に集中しやすい環境をつくる

「早く食べなさい」

と言い続けるより、

食事に集中しやすい環境を整える。

例えば、

テレビを消す。

動画を見ながら食べない。

食卓の上をすっきりさせる。

必要なものを最初に準備しておく。

こうした小さな工夫です。

ただし、「テレビを見ることが悪い」

という話ではありません。

朝は時間が限られているからこそ、

短い時間でも食事に集中できる状態をつくる

という考え方です。


④ 朝の流れを「見える化」する

朝の時間に、

「次は何をするんだっけ?」

となってしまう子には、

朝の流れを見えるようにするのもおすすめです。

例えば、

「起きる」

「着替える」

「朝ごはん」

「歯みがき」

「ランドセル」

「出発」

というように、

順番を書いたり、

絵や写真で示したりします。

すると、

親が、

「着替えた?」

「ごはん食べた?」

「歯みがきした?」

と、

一つひとつ声をかけなくても、

自分で確認しやすくなります。


⑤ 「早く食べられた」だけを褒めない

子どもが早く食べ終わったら、

「今日は早かったね!」

と言いたくなります。

もちろん、それも悪くありません。

でも、それだけではなく、

「今日は自分で時計を見てたね」

「昨日より準備がスムーズだったね」

「時間を気にしながら食べられたね」

など、自分で考えて動いたこと

にも目を向けてみてください。

なぜなら、最終的に育てたいのは、

「親に急かされれば早く食べる力」

ではなく、

自分で時間を見て、自分で行動を調整する力

だからです。


朝の「早くして!」を減らすために

朝ごはんが遅い子を前にすると、

「早くして!」

と言ってしまうことがあります。

でも、

それを何度も言い続けると、

親も疲れてしまいます。

そして、

子どもも、

「また急かされた」と、

朝から嫌な気持ちになることがあります。

だからこそ、

親の声かけを変えるだけではなく、

「早くと言わなくても動きやすい仕組み」をつくる

ことが大切です。

時計を見えるようにする。

朝の流れを決める。

食事に集中しやすい環境をつくる。

必要以上に食べる量を増やさない。

こうした工夫が、少しずつ、

親の声かけを減らしてくれます。


「早く食べる子」にすることがゴールではありません

ここは、ぜひ大切にしたいところです。

朝ごはんを早く食べられるようになること。

もちろん、

朝の生活をスムーズにするうえでは大切です。

でも、それだけがゴールではありません。

本当に育てたいのは、

「時間を見ながら、自分で行動を調整する力」です。

今日は、

「7時30分までに食べ終わる」

と分かっている。

だから、いつもより少し早く食べ始める。

途中で時計を見て、

「あと少しだ」と気づく。

こうした小さな経験を積み重ねることで、

子どもは少しずつ、

自分で時間を管理するようになります。


朝の余裕は、子どもの心の余裕にもつながる

学校では、毎日たくさんのことがあります。

授業を受ける、友達と関わる、

休み時間に遊ぶ、係活動をする…

子どもたちは、大人が思っている以上に、

いろいろなことを頑張っています。

だからこそ、学校に着く前から、

「早く!」「急いで!」

と慌ただしい時間が続くより、

少しでも、

「間に合う」「大丈夫」

と思える朝のほうが、

気持ちよく一日を始めやすくなります。

もちろん、

毎朝そんな理想的な時間をつくるのは、

簡単ではありません。

寝坊する日もある。

子どもがなかなか起きない日もある。

朝ごはんをこぼすこともある。

兄弟げんかが始まることもある。

親だって、イライラする日があります。

それでいいと思います。

大切なのは、

毎日完璧にすることではありません。

「どうしたら、もう少し朝がラクになるかな?」

と、親子で少しずつ調整していくことです。


食べるのが遅いことだけを問題にしない

もし、「朝ごはんを食べるのが遅い」

ということが気になったら、

まずは、

「早く食べなさい」

から始めるのではなく、

少しだけ観察してみてください。

起きてから、どのくらいで食卓につくのか。

食事中に、何に気を取られているのか。

どのくらいの量なら、無理なく食べられるのか。

時間の見通しは持てているのか。

朝、何か不安を抱えていないか。

そこが見えてくると、

「食べるのが遅い子」ではなく、

「こういうところで時間がかかっている子」

と見えるようになります。

すると、必要なサポートも変わってきます。


こんなときは専門家への相談も

朝ごはんを食べるのが遅いことが、

すべて生活習慣の問題とは限りません。

例えば、

食事そのものに強い苦痛がある。

飲み込みにくそうにしている。

特定の食感を極端に嫌がる。

食事量や体重、成長について心配がある。

長期間にわたって、

食事に大きな困りごとが続いている。

そんな場合は、

「もっと早く食べなさい」

と家庭だけで頑張り続けるのではなく、

小児科や管理栄養士など、

専門家に相談してみることも大切です。

「食べるのが遅い」という一つの行動だけで、

子どもを判断しない。

その背景を見ることを、大切にしてほしいと思います。


この記事を通して一番伝えたいこと

朝ごはんを食べるのが遅い。

何度言っても、なかなか食べ終わらない。

時計を見るたびに、

「もう時間がない!」と焦ってしまう。

そんな朝が続くと、

親も疲れてしまいますよね。

本当は、

「早くして!」

なんて言いたくない。

ゆっくり食べさせてあげたい。

でも、

時間がない。

仕事もある。

学校にも間に合わせなければいけない。

だから、つい急かしてしまう。

それは、子どもを大切に思っていないからではありません。

毎日の生活を回そうと頑張っているからこそ、余裕がなくなることがある。

まずは、

そこを責める必要なんてありません。

そのうえで、

「どうしたら、この子が自分で時間を意識できるかな?」

と、少しずつ環境を変えていく。

時計を見えるようにする。

朝の流れを決める。

食事に集中しやすくする。

子どもに合った食事量を考える。

そして、できたことを認める。

朝ごはんを早く食べることだけが、

目的ではありません。

「自分で見通しを持って、一日のスタートを切る力」を育てること。

そのために、

親子で少しずつ、朝の仕組みを整えていく。

そんな関わり方が、

親の「早くして!」を減らし、

子どもの「自分でできた」を増やしてくれるのだと思います。

毎朝完璧じゃなくて大丈夫。

昨日より少しラクな朝を、

一つずつ作っていけばいきたいですね!


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【勉強しているのに点が取れない】テストになるとできない子ども ~本番で力を出せない理由~

「家ではもっとできていたのに…」

子どもがテストを持ち返ってきたとき、
そう感じたこと、ありませんか?

思っていたより点数が低いと、

「もっと勉強させたほうがいいのかな」

「勉強のやり方が悪いのかな」

と、親としても、何とかできないかなと考えます。

でも、

小学校1年生から中学校3年生までの

子どもたちと関わってきて、

何度も感じたことがあります。

「テストでできない=勉強が足りない」とは限りません。

家で解けることと、

テストで自分の力だけで解けることの間には、

いくつかの段階があります。

家庭では、教科書やノートを見ながら勉強できる。

時間をかけて、

ゆっくり考えることもできる。

でも、テストでは、そうもいきません。

問題を読んで、

「何を使って解けばよいのか」

を自分で判断し、

限られた時間の中で、

答えを出さなければいけません。

つまり、

「分かる力」と「本番で使える力」は、同じではないのです。


家ではできるのに、テストではできないのはなぜ?

例えば、

算数の文章題を家庭で勉強していたとします。

親が、

「これは何を聞かれている?」

「図にしてみたら?」

「昨日やった問題と似ているよ」

と声をかける。

すると、

「あ、分かった!」と解ける。

でも、テストでは、

誰もヒントをくれません。

問題を見て、

「これは足し算?引き算?」

「それとも別の方法?」

と、自分で判断する必要があります。

ここには、大きな違いがあります。

家で解けたことは、

決して嘘ではありません。

ただ、

「ヒントがある状態なら解ける」から、「ヒントがなくても自分で解ける」へ、まだ途中だったということがあります。


学校現場で見えていたこと

教室では、普段の授業や宿題では、

しっかり理解している子が、

テストになると、

思ったように点数が取れないことがありました。

授業中に、

「この問題、どうやって考えましたか?」

と聞くと、

「はい!」と手を挙げる。

練習問題でも、きちんと解けている。

ところが、テストになると、

「あれ?」と手が止まる。

そんな姿です。

もちろん、

テスト前の勉強量が足りなかった場合もあります。

でも、それだけでは説明できない子もいました。

そこで、答案を見たり、

テスト中の様子を振り返ったりすると、

少しずつ、その子がどこで困っていたのかが見えてきます。

問題の意味は分かっている。

計算もできる。

でも、

「この問題には、どの方法を使えばいいのか」

を自分で判断するところで止まっている。

あるいは、

時間を気にして焦り、普段ならしないようなミスをしている。

私は、そんな子どもたちを何度も見てきました。

だからこそ、テストの点数だけを見て、

「勉強が足りなかったね」

で終わらせるのは、少しもったいないと思っています。


テストになるとできない子どもに見られる5つの理由

① 「何を使って解くか」を自分で判断できていない

家庭学習では、

「これは昨日やった問題と同じだね」

「この公式を使えばいいよ」

と、知らないうちにヒントをもらっていることがあります。

でも、テストでは、問題だけが提示されます。

そこで必要なのが、

「これは、今まで習った何を使えば解ける問題なのか」を判断する力。

例えば、

「全部でいくつ?」と聞かれれば、

足し算を思いつきやすい。

でも、

文章の中にその言葉が書かれていないと、

迷ってしまう子もいます。

これは、計算ができないのではありません。

解き方を選ぶ力が、まだ育っている途中なのです。


② 「分かったつもり」になっている

解説を聞いて、

「なるほど!」と思う。

先生の説明を聞いて、

「分かった!」となる。

これは、とても大切なことです。

ただ、「分かった」と、

「自分一人でできる」は、同じではありません。

説明を聞いた直後に、

「じゃあ、今度は何も見ずにやってみよう」

とすると、

「あれ……?」となることがあります。

理解したことを、自分の力で再現できるか。

ここを確認することが大切です。


③ 家ではヒントをもらっている

家庭学習では、

親が意識していなくても、

たくさんのヒントを出していることがあります。

「問題文をもう一回読んでみよう」

「何を聞かれている?」

「図にしてみたら?」

これらはすべて、

子どもにとって大きな助けになります。

もちろん、ヒントを出すことが悪いわけではありません。

むしろ、学習の初期段階では必要な支援です。

ただ、いつまでもヒントがある状態だと、

「ヒントがなくても解く」という経験が不足してしまうことがあります。

だから、少しずつ、親のヒントを減らしていく。

これが、本番で力を出すための大切な練習になります。


④ 時間制限があると焦ってしまう

家では、分からなければ少し休んで、

もう一度考えることができます。

でも、テストには時間制限があります。

「あと10分」「まだ3問残っている」

そう思った瞬間、

焦ってしまう子もいます。

すると、

問題文を読み飛ばしたり、計算を急いだり、

見直しができなくなったりします。

普段ならできる問題なのに、

テストでは間違えてしまう。

そんな場合は、

単純な学力だけではなく、

時間の使い方も見直す必要があります。


⑤ 「知っている」けれど「使う」経験が少ない

家庭学習では、

同じような問題を繰り返すことがあります。

これは、基礎を定着させるうえで大切です。

一方で、テストでは、

少し形を変えた問題が出ることがあります。

「この知識を、どこで使えばいいの?」

と考えなければいけない。

つまり、

「知っている」から「使える」への移行

が必要になります。

ここが、家での学習とテストの大きな違いの一つです。


家庭でできる「本番で力を出す力」の育て方

では、家庭では何をすればいいのでしょうか。

大切なのは、

「一人で再現する時間」を少しずつ作ることです。

① 勉強の最後は「何も見ずに」解いてみる

教科書を見ながら 例題を確認する。

ノートを見ながら 問題を解く。

最後に、

「じゃあ、今度は何も見ないでやってみよう」

と、一度だけ自力で解いてみます。

これによって、

「本当に自分の力でできるのか」

を確認できます。

できなかったとしても、

それは失敗ではありません。

「ここは、まだ一人では難しいんだ」と分かったこと自体が、大切な学びです。


② 親のヒントを少しずつ減らす

最初は、「何を聞かれている?」

とヒントを出してもいい。

次は、「問題文をもう一度読んでみよう」

それでも難しければ、さらにヒントを出す。

そして、少しずつ、何も言わずに待ってみる。

このように、

支援を少しずつ減らしていくことが大切です。

いきなり、「一人でやりなさい」

にする必要はありません。


③ ときどき時間を意識して解いてみる

毎回、時間を測る必要はありません。

それでは、

勉強そのものが苦しくなってしまいます。

ただ、テスト前などには、

「今日は10分でここまでやってみよう」

と、時間を意識する練習をしてみる。

すると、

「この問題に時間をかけすぎている」

「先にできる問題からやったほうがいい」

など、自分なりの時間の使い方が見えてきます。


④ 間違えた問題は、時間を置いてもう一度解く

答え合わせをして、

「なるほど」で終わるのではなく、

少し時間を置いて、

もう一度、何も見ずに解いてみます。

ここで、

「あ、できた」となれば、

学んだことが、少しずつ自分の力になっています。

逆に、また間違えたなら、

「どこで迷ったのかな?」

と、もう一度原因を探すことが大切です。


⑤ テスト後は「何点だった?」だけで終わらせない

テストが返ってきたら、

つい、「何点だった?」

と聞いてしまいます。

もちろん、点数を見ることも大切です。

でも、それだけでは、

次につながる情報が少ないことがあります。

例えば、

「どの問題で止まった?」

「時間は足りた?」

「解き方は分かった?」

「問題文はちゃんと読めた?」

と振り返ってみます。

すると、

「時間が足りなかった」

「この問題だけ、何をすればいいか分からなかった」

「計算はできたけど、文章題が分からなかった」

など、具体的な課題が見えてきます。

点数を「評価」で終わらせず、「次の作戦を立てる材料」にする。

これが、テストを次に生かす大切な視点です。


「テストの点数」を次の学びに変える

例えば、80点だったとします。

「あと20点取れたのに」

と考えることもできます。

でも、もう少し細かく見てみる。

計算問題はほとんどできていた。

文章題で2問落としていた。

さらに見てみると、

2問とも、何算を使うのか判断できなかった

ことが分かった。

そうすると、次の目標は、

「もっと勉強する」ではありません。

「文章題を見たときに、何を求める問題なのかを考える練習をする」

という、具体的な目標になります。

これなら、次の学習につながります。

テストは、「できた・できなかった」

だけを見るものではありません。

「次は何をすれば、もう一歩できるようになるのか」を見つける材料

にもなります。


「家ではできた」は、無駄ではありません

「家ではできたのに、テストではできなかった」

そうなると、

「じゃあ、家でやった意味がなかったの?」

と思ってしまうかもしれません。

そんなことはありません。

家でできたことは、

確実にその子の力になっています。

ただ、その力を、

「自分一人で、時間内に、問題に合わせて使う」

ところまで、まだ練習が必要だっただけかもしれません。

だから、「もっと勉強しなさい」

だけではなく、

「一人で解く練習もしてみよう」

「この問題は、どうしてこの方法を使うのかな?」

と、学び方を少し変えてみる。

それだけでも、変化することがあります。


テストで力を出せる子は、「特別な子」ではありません

テストで安定して点数を取る子を見ていると、

「頭がいいから」

「覚えるのが得意だから」

と思ってしまうかもしれません。

もちろん、一人ひとり得意不得意はあります。

でも、教室で見ていると、

テストで力を発揮できる子には、

ある共通点もありました。

それは、

「自分で考えて、自分で確認する経験」が積み重なっていること。

家で、いつも誰かに教えてもらうのではなく、

最後には一人で解いてみる。

間違えたら、どこで間違えたのかを確認する。

テスト後には、次の方法を考える。

こうした小さな経験が、

本番での再現力につながっていきます。


この記事を通して一番伝えたいこと

「家ではできたのに……」

テストが返ってきたとき、

そう思うことがありますよね。

親も、子どもも、

がっかりしてしまいます。

でも、そこで、

「勉強が足りなかった」

とすぐに結論を出さなくても大丈夫です。

家でできていたのなら、

その子には、すでにできる力があります。

必要なのは、その力を、

「本番でも使える力」に変えていくこと。

そのためには、

何も見ずに解く。

ヒントを少しずつ減らす。

時間を意識してみる。

間違いを振り返る。

テスト後に、

「次はどうする?」

を考える。

こうした経験を、少しずつ積み重ねていきます。

テストは、「今の自分の価値」を決めるものではありません。

「今、どこまで自分の力を使えるようになっているか」を知るための材料です。

だから、

「何点だったの?」だけではなく、

「どこができた?」

「どこで困った?」

「次はどうしてみよう?」

と、一緒に見ていく。

その積み重ねが、

子どもの学力だけでなく、

自分の学び方を自分で調整する力

を育てていきます。

「家ではできたのに」

ではなく、

「家ではできるようになった。じゃあ、次は一人でできるようにしてみよう」

そんなふうに、

一つ先の目標を一緒に見つけてあげてください。

その視点が、

「勉強しているのに点が取れない」という悩みを、

「次に何をすればいいか分かる」という学びに変えてくれるはずです。


よくある質問

Q. 家ではできるのにテストで点が取れないのは、勉強不足ですか?

必ずしもそうとは限りません。知識は身についていても、問題に合わせて解き方を選ぶ力、時間内に解く力、自分一人で再現する力などが、まだ育っている途中の場合があります。

Q. テスト前は、とにかく問題をたくさん解かせたほうがいいですか?

量だけを増やす必要はありません。特にテスト前は、最後に「何も見ずに一人で解く」時間をつくることが効果的です。自力で再現できるかを確認してみましょう。

Q. テストの点数が低かったとき、何と声をかければいいですか?

「どうしてこんな点数だったの?」と原因を追及するより、「どの問題が難しかった?」「時間は足りた?」など、具体的に振り返る質問がおすすめです。次の行動につながる視点を一緒に探してみましょう。

Q. テストで緊張してしまう子にはどうしたらいいですか?

普段の家庭学習の中で、時々時間を意識して解いたり、何も見ずに一人で解いたりする経験を積んでおくと、本番の環境に近い練習になります。ただし、毎回テスト形式にする必要はありません。


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【何度言っても覚えない?】同じことを何度も聞く子ども ~記憶だけではない理由~

「明日の持ち物、何だっけ?」

「宿題ってどこまでだった?」

「明日、何時に出るの?」

さっき説明したばかりなのに、

また同じことを聞いてくる。

そんな子どもの姿に、

「さっき言ったばかりなのに……」

「何度説明したら覚えるの?」

と思ってしまうことはありませんか。

親としては、

一度伝えたことは覚えて、

自分で行動してほしい。

そう思うのも自然なことです。

でも、

小学校1年生から中学校3年生まで、

たくさんの子どもたちと関わってきて、

何度も感じたことがあります。

同じことを何度も聞く子が、話を聞いていないとは限りません。

その場では、

ちゃんと理解していることもあります。

それでも、

時間が経つと分からなくなる。

必要な場面になると、もう一度聞きたくなる。

そこには、

「記憶力」だけでは説明できない理由があります。

大切なのは、

何度も同じことを言って覚えさせることではありません。

一度聞いたことを、必要なときに思い出せるようにすること。

その力を少しずつ育てていくことです。


「何度言っても覚えない」とは限りません

例えば、

「明日は体育があるから、体操服を持っていってね」

と伝えたとします。

子どもは、

「分かった」と答えます。

ところが、

翌朝になると、

「今日、体育ある?」

「体操服いる?」

と聞いてくる。

こんなことがあります。

このとき、

「昨日言ったでしょ!」

と責めたくなるかもしれません。

でも、ここで少し考えてみたいです。

子どもは、昨日の時点では、

本当に「分かった」のかもしれません。

ただ、

その情報を頭の中に置いておき、

翌朝、自分で取り出すところまでは、

できていなかった。

つまり、

「分かること」と「必要なときに思い出せること」は、同じではありません。

ここを分けて考えると、

子どもの見え方が少し変わってきます。


学校現場で見えていたこと

教室でも、

同じような姿はよくありました。

授業中に、

「次は教科書の○ページを開いてね」

と伝えると、

子どもたちはページを開きます。

ところが、

少し時間が経って別の活動を始めると、

「次、何するんだっけ?」

と確認する子がいます。

また、一度説明した課題について、

「先生、これどうするの?」

と聞いてくる。

「さっき説明したよ」

と伝えたくなる場面です。

でも、一緒に話をしてみると、

その子は授業を聞いていなかったわけではありません。

むしろ、

説明した直後にはきちんと理解している。

それでも、

時間が経つと、

必要な情報を取り出せなくなることがあるのです。

私は、こうした子どもたちと関わる中で、

「覚えなさい」と言うだけでは、

うまくいかないことがあると感じてきました。

必要なのは、

「思い出すための手がかり」を持つこと。

そして、

自分で思い出す経験を、

少しずつ積み重ねることでした。


同じことを何度も聞く子に考えられる4つの理由

① 一度にたくさんの情報を受け取っている

大人にとっては、

「明日は体育だから体操服。宿題は算数のプリント。帰ったら明日の準備をしてね」

くらいの説明でも、

子どもにとっては、

いくつもの情報が一度に入っています。

全部を覚えておくのは、

意外と難しいことです。

そんなときは、

一度に伝える量を減らしてみましょう。

「まず体操服を準備しよう」

と一つ伝え、

できたら次を伝える。

情報を減らすだけでも、

子どもが自分で動きやすくなることがあります。


② 「分かった」と「覚えている」が違う

子どもが、「分かった」

と言ったからといって、

その情報が長く残っているとは限りません。

その場では理解できても、

別のことを始めると、

頭の中から抜けてしまうことがあります。

これは、

「分かったふりをしている」

とは限りません。

だから、

「分かった?」

と確認するだけでなく、

「じゃあ、何をするんだった?」

と、子ども自身に言葉にしてもらうことが大切です。


③ 思い出すための手がかりがない

「明日、忘れないでね」

と言われても、

何を手がかりに思い出せばいいのか分からない。

そんなこともあります。

例えば、

学校の準備なら、

「寝る前に時間割を見る」

「玄関に準備したものを置く」

など、思い出すきっかけを決めておく。

「覚えておく力」だけに頼らず、

思い出せる環境をつくることも、立派な工夫です。


④ 自分で思い出す経験が少ない

何かを聞かれたとき、

すぐに大人が答えてあげる。

これを繰り返していると、

子どもは、

「分からなかったら聞けばいい」

という状態になりやすくなります。

もちろん、

聞くこと自体は悪いことではありません。

ただ、毎回すぐに答えを教えるのではなく、

「昨日、何て言ったかな?」

「ヒントを一つ出そうか?」

と、少しだけ思い出す時間をつくる。

この積み重ねが、

自分で情報を取り出す力につながります。


家庭でできる5つの関わり

① 一度に伝えることを減らす

何度も聞いてくると、

「一回で全部覚えて!」

と言いたくなります。

でも、まずは伝える情報を減らしてみましょう。

「明日は体育だから、体操服を準備しよう」

まずはこれだけ。

その後に、

「宿題は算数のプリントだよ」

と伝える。

伝える量を減らすことは、甘やかすことではありません。

子どもが自分で覚え、

自分で動くためのサポートです。


② 「分かった?」ではなく、言い直してもらう

「分かった?」と聞けば、

「分かった」と答える。

でも、

本当に理解できているかは、

それだけでは分かりません。

そこで、

「何をするんだった?」

と聞いてみます。

例えば、

「明日の朝、何を持っていく?」

「宿題はどこまで?」

と、子ども自身に言ってもらう。

自分の言葉に置き換えることで、

情報が整理されやすくなります。


③ すぐに答えず、思い出す時間をつくる

「明日って体育だっけ?」

と聞かれたとき、

すぐに、「そうだよ」

と答えることもできます。

でも、

「どうだったかな?」

「昨日、何て言ってた?」

と返してみるのも一つです。

最初は、

「分からない」となるかもしれません。

そんなときは、

「時間割を見てみよう」

とヒントを出す。

「自分で思い出す→必要ならヒントをもらう」

という経験を増やしていきます。


④ 思い出すための仕組みをつくる

忘れないようにすることを、

子どもの記憶力だけに任せる必要はありません。

例えば、

  • 明日の持ち物を玄関に置く
  • 時間割を毎晩確認する
  • 宿題を書いた場所を決める
  • 習い事の日はカレンダーを見る

など、「ここを見れば分かる」

という仕組みをつくります。

大切なのは、

「忘れない子にすること」ではなく、

忘れても、自分で確認できる子にすること。

これは、

これから先の生活でも役立つ力になります。


⑤ 「何度も聞く」を責めない

同じことを何度も聞かれると、

親も疲れてしまいます。

忙しい朝なら、なおさらです。

「さっき言ったでしょ!」

と言ってしまうことも、

決して珍しいことではありません。

毎回、穏やかに対応する必要もありません。

ただ、少し余裕があるときには、

「昨日も聞いたよね。じゃあ、どうやったら自分で思い出せそう?」

と、一緒に考えてみる。

「聞かないで!」ではなく、

「自分で確認する方法を持とう」

という方向に変えていく。

それだけでも、

少しずつ子どもの行動が変わっていきます。


「何度も聞く」を減らすことだけがゴールではありません

この記事を読んで、

「じゃあ、どうしたら同じことを聞かなくなるの?」

と思われるかもしれません。

もちろん、

自分で覚えて、

自分で確認できるようになることは大切です。

でも、私はもう一つ、

大切にしてほしいことがあります。

それは、

「分からないことを聞ける」ということ自体は、悪いことではない。

ということです。

学校でも、分からないまま黙ってしまう子より、

「もう一回教えてください」

「ここが分かりません」

と言える子は、学びを前に進めることができます。

だから、

「また聞いたの?」

と、質問そのものを否定するのではなく、

「分からなくなったら聞いていいよ」

という安心感も残しておきたい。

そのうえで、

「でも、まず自分でも思い出してみよう」

と伝える。

このバランスが大切です。


「覚える力」より「思い出す力」を育てる

子どもが同じことを何度も聞いてくると、

「もっと覚えてほしい」

と思ってしまいます。

でも、

子どもに必要なのは、

ただたくさん覚えることではありません。

必要なときに、

必要な情報を取り出せること。

そして、

分からなければ、

自分で確認できること。

そのためには、

「覚えて!」

と繰り返すより、

「どうしたら思い出せるかな?」

と考える経験が大切です。


この記事を通して一番伝えたいこと

「何度言っても覚えない」

そう思ってしまう子どもの姿の中には、

実は、

「覚えていない」のではなく、「必要なときに取り出せない」

ということがあります。

だから、

同じことを聞いてきたとき、

すぐに、「また?」

と責めるのではなく、

少しだけ立ち止まってみる。

「何をするんだったかな?」

「昨日、何て言ってた?」

「どこを見れば分かるかな?」

と、思い出すためのきっかけを渡してみる。

そして、

「分からなかったら確認していいよ」

という安心感も残しておく。

そうやって、少しずつ、

「聞く」から「思い出す」へ。

「思い出せない」から「自分で確認する」へ。

子どもの力を、

少しずつ育てていけばよいのだと思います。

何度も聞く子を、何度も叱る必要はありません。

「覚えなさい」ではなく、

「思い出せる方法を一緒に見つけよう」

そんな関わりが、

子どもの「自分でできる」を育てていきます。


よくある質問

Q. 同じことを何度も聞いてくるのは、記憶力が悪いからですか?

必ずしもそうとは限りません。一度は理解できていても、必要な場面で思い出せないことがあります。また、情報量が多い、整理するのが難しい、思い出す手がかりがないなど、さまざまな理由が考えられます。

Q. 何度も聞かれたら、毎回答えたほうがいいですか?

毎回すぐ答える必要はありません。余裕があるときは、「昨日何て言ってたかな?」と、まず思い出す時間をつくってみましょう。ただし、質問すること自体を否定する必要はありません。

Q. 「分かった?」と聞いても「分かった」と答えるだけです。

「分かった?」だけではなく、「じゃあ、何をするの?」と子ども自身の言葉で説明してもらうと、理解や記憶を確認しやすくなります。


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【反省していないわけではありません】宿題のやり直しを嫌がる子ども ~「間違いを学びに変える力」の育て方~

「ここ、間違ってるよ。やり直してみよう」

そう声をかけると、

「えー、もうやりたくない」

「分かってるからいい」

「もう直したくない」

そんな反応が返ってくる。

宿題の丸つけをしていると、

こんな場面に出会うことがあります。

親としては、

「同じ間違いをしないためにも、やり直してほしい」

と思いますよね。

せっかく勉強したのだから、

間違いをそのままにせず、

次につなげてほしい。

そう願うのは、当然のことだと思います。

でも、18年間、

小学校1年生から中学校3年生まで、

たくさんの子どもたちと関わってきて感じたことがあります。

宿題のやり直しを嫌がる子が、反省していないとは限りません。

むしろ、

「どこを直せばいいのか分からない」

「なぜ間違えたのか分からない」

「また間違えたら嫌だ」

「もう一度考える方法が分からない」

そんな理由から、

やり直しに取り組めないことがあります。

つまり、必要なのは

「間違いをどう学びに変えるのか」を習得していくこと。

ここに、

子どもの学び方を変えるヒントがあります。


「やり直して」と言われても動けない理由

大人からすると、

やり直しはそれほど難しくありません。

間違っていたところを確認して、

正しい答えを書けばいい。

でも、子どもにとっては、

意外と難しい作業です。

例えば、

算数の問題を間違えたとします。

「答えは11だった」

ここまでは分かった。

でも、

「どうして10になったんだろう?」

と聞かれると、答えられない。

計算の途中で間違えたのか。

数字を読み間違えたのか。

繰り上がりを忘れたのか。

そもそも、計算方法を勘違いしていたのか。

原因が分からないまま、

正しい答えだけを書き直しても、

同じことを繰り返してしまいます。

だからこそ、

本当の「やり直し」は、

正しい答えを書くことだけではありません。

「なぜ間違えたのか」に気づき、

「次はどうすればいいか」まで考える。

そこまでできて、

初めて間違いが学びに変わります。


学校現場で見えていたこと

教室では、

テストやプリントを返したあとに、

子どもたちが間違いを直す姿を見ることがあります。

すぐに自分の間違いを見つけて、

「ここだった!」

と直せる子もいます。

一方で、

赤ペンで丸がついているところを見ても、

鉛筆が動かない子もいました。

そんな子に、

「ここ、もう一度考えてみよう」

と声をかけても、

動けないことがあります。

でも、一緒に問題を見ていくと、

「ここまでは分かる」

「ここを間違えたのかも」

と、少しずつ原因が見えてくることがあります。

そこで、

「じゃあ、次はどうしたら間違いを防げそう?」

と聞くと、

「数字に線を引く」

「計算をもう一回確認する」

など、自分なりの方法を考え始める。

そんな姿を何度も見てきました。

だから、

「やり直さない=反省していない」

と決めつけるのではなく、

「この子は、やり直し方を知っているかな?」

と考えることが大切です。


宿題のやり直しが苦手な子に見られる5つの理由

① どこが間違っているのか分からない

「ここをやり直して」

と言われても、

本人には、

「何を直せばいいの?」

ということがあります。

特に、答えだけが間違っている場合、

途中のどこで間違えたのか、

自分では見つけられないことがあります。

そんなとき、

「ちゃんと見直して」と言われても、

見直すポイントが分かりません。

まずは、

「どこまでは合っているかな?」

と、一緒に確認してみる。

間違いを見つけること自体が、

学びになります。


② 「なぜ間違えたのか」が分からない

正しい答えは分かっても、

間違えた原因までは分からない。

これは、決して珍しいことではありません。

例えば、

「8+7=14」と書いていたとします。

正しい答えが15だと分かっても、

「どうして14にしたの?」

と聞かれたら、

「分からない」となるかもしれません。

この場合、必要なのは、

答えを書き直すことだけではありません。

「どこで14になったのかな?」

と、途中の考え方を一緒に振り返ること。

原因が見つかれば、次の対策も考えられます。


③ 間違いを指摘されることが嫌になっている

間違えるたびに、

「また間違えたの?」

「ちゃんと見て」

「前にも同じこと言ったよね」

と言われ続けると、

子どもにとって、

「間違いを直すこと」そのものが、

嫌な経験になってしまうことがあります。

すると、

「やり直し」という言葉を聞くだけで、

「怒られる、またできなかった…」

という気持ちが出てくることもあります。

だからこそ、

間違いを責めるのではなく、

「どこで迷ったのかな?」

と、一緒に探す姿勢を持ちたいところです。


④ 正しい答えを書けば終わりだと思っている

子どもによっては、

「間違い直し=正しい答えを書くこと」

だと思っています。

例えば、

「答えは5です」と書き直したら、

「はい、終わり」となる。

でも、それでは、

次に同じ問題が出たとき、

また間違える可能性があります。

大切なのは、

「正しい答え」だけではなく、

「次はどうしたらできるか」

まで考えることです。


⑤ 「また間違えたらどうしよう」と思っている

意外と見落としやすいのが、

この気持ちです。

一度間違えた問題を、もう一度やる。

もし、また間違えたら……。

そう考えると、

取り組みたくなくなる子もいます。

特に、

「間違えることが恥ずかしい」

「できないと思われたくない」

という気持ちが強い子は、

やり直しそのものを避けることがあります。

そんなときには、

「正解できるかな?」ではなく、

「どこまで分かるか見てみよう。」

というくらいの気持ちで、

取り組めるようにすることが大切です。


家庭でできる「やり直す力」を育てる5つの関わり

① 「間違いを直して」ではなく「どこで迷った?」と聞く

「ここ、間違ってるよ」

だけで終わると、

子どもは、

正しい答えを探すことだけに意識が向きます。

そこで、

「どこで迷ったのかな?」

と聞いてみます。

例えば、

算数なら、

「この計算のどこで迷った?」

国語なら、

「文章のどこを見て答えた?」

漢字なら、

「どの部分が難しかった?」

と、間違いの原因に目を向けます。

「間違えたこと」ではなく、

「間違い方」を一緒に見る。

これが、やり直す力の第一歩です。


② いきなり全部直させない

宿題に間違いがたくさんあると、

「全部やり直して」

と言いたくなります。

でも、間違いが10個あったら、

10個全部を一気に直すのは、

子どもにとってかなりの負担です。

まずは、

「今日はこの2問を見てみよう」

と、絞ってみます。

一つの問題について、

「どこで間違えた?」

「次はどうする?」

まで考える。

その経験が積み重なれば、

少しずつ、自分で振り返れるようになります。

量よりも、振り返りの質。

ここを大切にしたいところです。


③ 「なぜ?」より「どこで?」から始める

「どうして間違えたの?」

という質問は、大人にとっては自然です。

でも、子どもにとっては、

少し難しいことがあります。

「分からない」

で終わってしまうこともあります。

そんなときは、

「どこまでは分かった?」

「どこから分からなくなった?」

と、聞き方を変えてみます。

「なぜ?」を考える前に、

「どこで?」を見つける。

すると、

間違いの原因が見つかりやすくなります。


④ 正しい答えではなく「考え方」をほめる

やり直した結果、正解できた。

もちろん、それも嬉しいことです。

でも、もっと大切にしたいのは、

そこに至るまでの考え方です。

「間違いを見つけられたね」

「自分でどこが違うか気づけたね」

「次はこうしてみようって考えられたね」

そんな声かけをしてみてください。

すると、子どもは、

「間違えたら終わり」

ではなく、

「間違えても、そこから考え直せる」

という感覚を持ちやすくなります。


⑤ 最後に「次はどうする?」まで考える

ここが、

「やり直し」を「学び」に変えるポイントです。

例えば、

計算ミスだったら、

「次は最後にもう一度確認する」

読み間違いだったら、

「数字に線を引いてから計算する」

問題文の読み落としだったら、

「聞かれているところに線を引く」

漢字の書き間違いなら、

「書き終わったら送り仮名も確認する」

というように、

次の行動を一つ決めます。

「次は気をつける」だけでは、

少し曖昧です。

「最後に見直す」

「数字に線を引く」のように、

具体的な行動にすると、

次の学習につながります。


「間違い直し」は、反省会ではありません

子どもが間違えたとき、

「どうして間違えたの?」

と聞くと、

反省させているような雰囲気になってしまうことがあります。

でも、

間違い直しは、反省会ではありません。

「自分の考え方を知る時間」です。

どこで間違えたのか。

何を勘違いしたのか。

どこまでは合っていたのか。

次はどうすればよいのか。

それを知るための時間です。

だから、

「間違えたこと」を責めるより、

「間違いから何が分かった?」

と考えられることのほうが、ずっと大切です。


親が全部教えなくても大丈夫

「間違い直しをさせるなら、

親がつきっきりにならないといけないの?」

と思う方もいるかもしれません。

でも、

最初から最後まで教える必要はありません。

例えば、

「どこで間違えたか見つけてみよう」

と伝えて、子ども自身に考えてもらう。

難しそうなら、

「ここまでは合っているね」

と、少しだけヒントを出す。

そして、

「次はどうしたらいいかな?」

と、もう一度子どもに返す。

大切なのは、

親が答えを出すことではなく、子どもが自分の考えを整理できるように支えることです。


「やり直しができる子」は、失敗を怖がらなくなる

間違い直しが習慣になると、

子どもに少しずつ変化が出てきます。

「間違えた」

「どこが違ったかな?」

「ここだった」

「次はこうしよう」

この流れが、

少しずつ身についていきます。

すると、間違いそのものが、

怖いものではなくなっていきます。

もちろん、

すぐにできるようになるわけではありません。

最初は、親と一緒に確認する。

次は、ヒントだけ出す。

その次は、自分で振り返る。

そんなふうに、

少しずつ手を離していくことを意識したいです。


「やり直せる力」は、勉強以外にもつながる

この力は勉強だけに必要なものではありません。

友達との関係で、言い方を間違えてしまった。

スポーツで、うまくできなかった。

習い事で、失敗した。

そんなときにも、

「何がうまくいかなかった?」

「次はどうしてみよう?」

と考えられる子は、

少しずつ立て直していくことができます。

つまり、

「やり直す力」は、「失敗したあとに前へ進む力」でもあります。

だからこそ、

宿題の一つの間違いを、

単なる「直すべきミス」として終わらせず、

学び方を身につける機会として、

大切にしていきたいです。


この記事を通して一番伝えたいこと

やり直しを嫌がる子は、

もしかすると、

どこを直せばいいのか分からないのかもしれない。

なぜ間違えたのか分からないのかもしれない。

また間違えるのが怖いのかもしれない。

だからこそ、

「間違いを直して!」と迫るのではなく、

「どこで迷ったのかな?」と一緒に見てみる。

そして、

「次はどうしたらいいかな?」と、

次の一歩につなげていく。

それを繰り返していると、

少しずつ、

「間違えたら、終わり」ではなく、「間違えたら、そこから考えればいい」

という感覚が育っていきます。

子どもに身につけてほしいのは、

「間違えない力」だけではありません。

むしろ、間違えたときに、

自分の考えを振り返り、原因を見つけ、

次の方法を考えられる力。

私は、これこそが、

これから先の学びを支える大切な力の一つだと思います。

「やり直して」と言われなくても、自分から「どこが違ったんだろう?」と考えられる子へ。

その力は、

一度の声かけで身につくものではありません。

小さな間違いを一つずつ、

一緒に振り返る。

その積み重ねの中で、

少しずつ育っていくものです。

今日の宿題で、もし間違いが見つかったら、

「また間違えた」ではなく、

「どこで迷ったのかな?」

と、一緒に探してみてください。

その一言が、「間違い」を、

次の「できた」につなげるきっかけになるかもしれません。


よくある質問(FAQ)

Q1. 間違い直しを嫌がるときは、無理にやらせないほうがいいですか?

毎回すべてを無理にやらせる必要はありません。疲れているときなどは、まず気持ちを落ち着かせることも大切です。そのうえで、間違いが多い場合は一度に全部ではなく、重要な問題を1~2問だけ選んで振り返る方法もあります。

Q2. 正しい答えを書き直せば「やり直し」になりますか?

正しい答えを書くことも大切ですが、それだけでは同じ間違いを繰り返すことがあります。「どこで間違えたのか」「次はどうするのか」まで確認できると、より学びにつながります。

Q3. 子どもが「分からない」と言って何もできません。

「なぜ分からないの?」と聞くより、「どこまでは分かる?」「どこから迷った?」と聞いてみましょう。分かる部分を見つけることで、やり直しの入口をつくりやすくなります。

Q4. 親が教えすぎてしまわないか心配です。

最初は一緒に考えても大丈夫です。ただし、すべての答えを教えるのではなく、「ここまで一緒にやる→次は子どもに任せる」という形で少しずつ手を離していくことを意識すると、自分で振り返る力につながります。


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【考える前に「分からない」】すぐ諦めてしまう子ども ~最初の一歩を作る関わり方~

問題を見た瞬間、

まだ何も考えていないのに、

「分からない」

「もう一回、問題を読んでみたら?」

そう声をかけても、

「……。」

そして、鉛筆が止まる。

こんな姿に、

「どうして考えようとしないんだろう」

「すぐ諦めてしまうのかな」

と、心配になることはありませんか?

親としては、

「分からないなら、まず考えてみようよ」

と言いたくなります。

でも、18年間、

小学校1年生から中学校3年生までの

子どもたちと関わってきて感じたことがあります。

「分からない」と言う子のすべてが、考えることを嫌がっているわけではありません。

中には、

「何から始めればいいのか分からない」

という子がいます。

つまり、

「分からない」の前に、

「最初の一歩が分からない」

という状態があるのです。

ここに気づくと、

家庭での声かけも少し変わってきます。


「分からない」は、本当に「何も分からない」のでしょうか?

例えば、

算数の文章問題を見た瞬間、

「分からない」

と言う子がいます。

でも、

よく聞いてみると、

「何を聞かれているかは分かる」

「数字が2つあるのは分かる」

「絵にしたら分かるかもしれない」

ということがあります。

つまり、

全部が分からないわけではありません。

「どこから手をつければいいのか分からない」

だけなのです。

これは、

「考える力がない」

とは少し違います。

考えるための入口が見つからない。

だから、

思考を始める前に、

「分からない」

と止まってしまうのです。


学校現場で見えていたこと

教室では、

問題を配った瞬間に、

すぐ鉛筆を動かし始める子がいます。

一方で、

問題をじっと見たまま、

手が動かない子もいます。

そして、

「先生、分かりません」

と、すぐに手を挙げる。

そんな姿もありました。

でも、そこで私が、

「まず考えてみよう」

と言うだけでは、

なかなか動けない子もいます。

そんなときは、

「問題の中で分かるところはどこ?」

「何を聞かれている?」

「分かっている数字は?」

と、一つずつ聞いていきます。

すると、少しずつ考え始める。

その瞬間、

「あ、ここからならできる」

という表情に変わる子がいました。

私は、こうした姿を何度も見てきました。

だから、

「分からない」と言った瞬間に、

「この子は考えていない」と決めつけないこと

を大切にしていました。


「分からない」と言う子に起きている5つのこと

① 問題のどこを見ればよいのか分からない

問題を見たとき、

大人は自然に、

「ここがポイントだな」

と目をつけます。

でも、子どもにとっては

問題文のどこが大事なのか、

分からないことがあります。

・文章が長い

・数字がたくさん出てくる

・知らない言葉がある

・何を求めればいいのか分からない

そんな状態では、

考えようとしても入口が見つかりません。

だから、

「全部読んで考えて」

ではなく、

「この問題は何を聞いている?」

と、まず一つに絞って聞いてみる。

それだけで、

思考が始まりやすくなります。


② 過去に「分からない」と感じた経験が積み重なっている

「分からない」

という言葉が、単なる今の状態ではなく

「どうせできない」

という気持ちにつながっていることもあります。

以前、問題を考えても分からなかった。

何度やっても間違えた。

時間がかかった。

周りの子はできていた。

そんな経験が重なると、

問題を見るだけで、

「また無理かも」

と感じてしまいます。

すると、考える前に、

「分からない」

と言うようになります。

これは、怠けているというより、

失敗する前に諦めて、自分を守っている

場合もあります。


③ 「正解しなければ」と思いすぎている

真面目な子ほど、

「間違えたくない」

という気持ちが強いことがあります。

だから、

考えている途中で、

「これで合ってるかな?」

と不安になる。

「間違っていたら嫌だ」と思う。

そして、最終的には、

何も書かなかったり、考えたことを出さなかったりする。

このタイプの子には、

「正解を出して」ではなく、

「まず思いついたことを書いてみよう」

という声かけが有効です。


④ 「考える」という言葉が広すぎる

大人が、

「ちょっと考えてみて。」

と言うとき、

頭の中では、

① 問題を読む

② 大事なところを見つける

③ 知っていることを思い出す

④ 使えそうな方法を探す

⑤ 試してみる

という、いくつもの行動をしています。

でも、

子どもにとって「考える」は、

とても大きくて曖昧な言葉です。

だから、「考えて」と言われても、

何をすればよいのか分からない。

そこで、

「まず問題をもう一回読んでみよう」

「分かっていることに線を引こう」

「絵にしてみよう」

など、

行動に置き換えることが大切です。


⑤ 本当は「少しだけ助けてほしい」

「分からない」

と言っている子の中には、

答えを教えてほしいわけではなく、

最初の一歩だけ手伝ってほしい

という子もいます。

例えば、

「この問題、どうするの?」

と聞かれたとき、

全部説明するのではなく、

「まず、何を聞かれているか探してみよう」

と、入口だけ示す。

すると、その先は自分で進めることがあります。

大切なのは、

答えを与えることではなく、考え始めるきっかけを渡すこと

です。


家庭でできる「最初の一歩」を作る5つの関わり

① 「分からない」を責めず、「分かるところ」を探す

子どもが「分からない」と言ったとき、

「ちゃんと読んだ?」

「考えてないだけじゃない?」

と言いたくなることがあります。

でも、そこで責められると、

子どもはますます、

「分からないと言わないほうがいい」

と思ってしまうかもしれません。

まずは、

「そっか。じゃあ、分かるところを一緒に探そう」

と言ってみます。

例えば、

「数字は見つけられる?」

「何を聞かれているかは分かる?」

「知っている言葉はある?」

と、引き出すことで考え始められる場合も多いです。 


② 「何が分からない?」ではなく「何が分かる?」と聞く

「何が分からない?」

と聞かれると、

子どもは、「全部!」

と答えてしまうことがあります。

そんなときは、

質問を逆にしてみます。

「何が分かる?」

「数字は分かる?」

「聞かれていることは分かる?」

「この言葉は知ってる?」

すると、少しずつ、

「ここは分かる」という部分が見えてきます。

分かるところを見つけることが、考え始める第一歩です。


③ 最初の一手だけ、一緒にやってみる

すべてを教える必要はありません。

例えば、文章問題なら、

「まず、何を聞かれているか探してみよう」

図形なら、

「分かる長さに印をつけてみよう」

国語なら、

「問題で聞かれているところに線を引いてみよう」

というように、

最初の行動だけ一緒にやります。

その後、

「ここまでできたね。次はどうしよう?」

と、子どもに返してみる。

この、「助ける→返す」の繰り返しが、

自分で考える力につながります。


④ 「間違ってもいいから」を口ぐせにする

「正しい答えを出して」

と思うほど、

子どもは動けなくなることがあります。

そんなときは、

「まず予想してみよう」

「違っていても大丈夫」

「一回やってみよう」

と、考えたことを出すハードルを下げてみます。

特に、「間違えること」を怖がっている子には、

正解よりも、試してみることを評価する

ことが大切です。

「違ったね」で終わるのではなく、

「ここまで考えられたね」

「この考え方は使えそうだね」

と、途中の思考にも目を向けたいです。


⑤ 「分からない」の次に言える言葉を増やす

実は、「分からない」を、

無理になくす必要はありません。

大切なのは、その次の言葉です。

「ここまでは分かる」

「この言葉の意味が分からない」

「どこから始めればいいか分からない」

「このやり方で合っているか分からない」

こうした言葉が言えるようになると、

「分からない」が、

思考停止の言葉ではなく、助けを求める言葉

に変わります。

これは、

これから学年が上がっていくほど、

大きな力になります。


「すぐ答えを教える」のも、「自分で考えて」と突き放すのも違う

家庭学習で子どもが、

「分からない」と言ったとき、

親としては、

教えたほうがよいのか。

自分で考えさせたほうがよいのか。

迷う場面もあるかと思います。

でも実は、その二択ではなく、

大切なのは、

子どもが自分で考えられるところまで、足場を作ること

こそ、一番のサポートです。

例えば、

「問題を読んだ?」

ではなく、

「一緒に一回読んでみよう」

「何を聞かれている?」

「ここまでは分かる?」

と、少しずつ整理する。

そして、子どもが動き始めたら、

少しずつ手を離す。

これは、自転車の練習にも似ています。

最初から手を離すと怖くて進めません。

ずっと支えていても自分では走れません。

必要なところだけ支えて、進めるようになったら手を離す。

学習でも、同じことが言えます。


こんな声かけは「考える入口」になりやすい

「分からない」と言われたとき、

こんな言葉を使ってみてください。

算数なら

「何を聞かれている問題かな?」

「分かっている数字はどれ?」

「図にするとどうなるかな?」

「似た問題、前にやったことあるかな?」

国語なら

「問題は何を聞いている?」

「文章の中で気になるところはどこ?」

「答えになりそうなところを探してみよう」

勉強全般なら

「全部分からないのかな?分かるところはある?」

「まず何ができそう?」

「一番簡単そうなところからやってみようか」

「一緒に最初だけやってみよう」

ポイントは、

「考えて!」ではなく、「何をすれば考え始められるか」を示すこと

です。


「分からない」と言えること自体は、悪いことではありません

ここは、

ぜひ大切にしたいところです。

「分からない」

と言える子は、

自分が困っていることを、言葉にできています。

これは、決して悪いことではありません。

むしろ、

「分からないけれど、どうしたらいい?」

と助けを求められることは、

学ぶ上で大切な力です。

問題なのは、

「分からない」と言った瞬間に、

すべてを諦めてしまうこと。

だから、

「分からないと言わない子にする」のではなく、

「分からないと言ったあと、もう一歩進める子にする」

ことを目指したいです。


この記事を通して一番伝えたいこと

子どもが、

「分からない」と言ったとき。

親としては、

「まだ何も考えてないじゃない」

「まず考えてみてよ」

と思ってしまうことがあります。

私自身、たくさんの子どもたちと関わる中で、

そう感じる場面が何度もありました。

でも、子どもが動けないとき、

必要なのは、

「もっと頑張って考えること」ではなく、

「どこから考えればよいのか分かること」

なのかもしれません。

だから、「分からない」と言われたら、

すぐに答えを教えるのでも、

「自分で考えて」と突き放すのでもなく、

「じゃあ、分かるところを探そう」

と、最初の一歩を一緒につくってみる。

そして、一歩進めたら、少しだけ手を離す。

その繰り返しが、

「分からないから止まる子」を、

「分からないけれど、まずやってみる子」

へと少しずつ変えていきます。

考える力は、「考えて!」と言われ続けることで育つのではなく、「ここからならできそう」という小さな一歩を積み重ねることで育っていく。

「分からない」

と言えることも、一つのスタートです。

そこから、

「じゃあ、何が分かる?」と、

一緒に最初の一歩を探してみてください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 「分からない」と言われるたびに教えてしまっても大丈夫ですか?

すぐに答えを教えることが続くと、自分で考える前に助けを求める習慣につながることがあります。全部教えるのではなく、「何を聞かれている?」「分かるところはどこ?」など、最初の一歩だけ支えてから、子どもに返してみましょう。

Q2. 「まず自分で考えて」と言っても動きません。

「考える」という言葉だけでは、子どもにとって何をすればいいのか分からないことがあります。「問題をもう一度読む」「分かっている数字に線を引く」など、具体的な行動に置き換えてあげると動きやすくなります。

Q3. すぐ「分からない」と言うのは、勉強が苦手だからでしょうか?

必ずしもそうではありません。問題のどこから手をつければいいのか分からない、間違えるのが怖い、過去の失敗経験があるなど、さまざまな理由が考えられます。「分からない」という言葉だけで、能力を決めつけないことが大切です。

Q4. 「分からない」と言わない子のほうがいいのでしょうか?

そうとは限りません。「分からない」と自分の状態を伝えられることは、とても大切な力です。目指したいのは「分からないと言わない子」ではなく、「分からないと言ったあとに、どこが分からないのかを整理して、次の一歩を考えられる子」です。


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【「忘れた」しか言わない】学校の出来事を話さない子ども ~話したくなる聞き方のコツ~

「今日、学校どうだった?」

「……忘れた」

子どもが学校から帰ってきたら、

今日あったことを聞きたい。

でも、返ってくるのは、

忘れた、別に、普通 の一言。

何度聞いても、

なかなか話が広がらない。

「うちの子、学校で何しているんだろう?」

「何か困っていることがあるのかな?」

そんなふうに心配になることもあると思います。

でも、

たくさんの子どもたちと関わってきて感じたことがあります。

「学校のことを話さない=学校で何か問題がある」とは限りません。

子どもは、「話したくない」のではなく、

「何から話せばいいのか分からない」

こともあります。

だからこそ、

質問の仕方を少し変えるだけで、

子どもから出てくる言葉が変わることがあります。


「学校どうだった?」に答えにくい理由

まず、「学校どうだった?」

という質問について。

大人にとっては、

普通の質問ですよね。

でも、

子どもからすると、

実はかなり難しい質問です。

学校では、

朝の会、授業、休み時間、

給食、掃除…

一日の出来事がたくさんあります。

その中から、

「今日の学校生活」をまとめて答える必要があります。

これは、意外と難しいことです。

だから、

「忘れた」という答えが返ってきても、

本当に全部忘れているとは限りません。

「何を話せばいいの?」

という状態なのかもしれません。


学校現場で見えていたこと

教室で子どもたちと過ごしていると、

「学校ではよく話すのに、家では話さない」

という子もいました。

反対に、

学校では口数が少ないけれど、

家庭ではよく話している子もいます。

また、学校で起きた出来事を、

その場では特に気にしていなかったのに、

帰宅してから突然、

「今日ね……」

と話し始める子もいました。

子どもによって、話すタイミング、

話したい内容、話し方も

本当に違います。

だから私は、

子どもが話してくれないとき、

「何もなかったんだな」とも、

「何か隠しているのかな」とも、

すぐには決めつけないようにしていました。

まずは、

「この子は、今どんな状態なんだろう?」

と考える。

それが大切だと思っています。


「忘れた」と答える子に共通している5つのこと

① 一日の出来事が多すぎて整理できない

子どもは学校で、

大人が思っている以上に、

たくさんの情報を受け取っています。

授業、友達との会話、休み時間、

先生とのやり取り、給食…

さまざまな出来事があります。

帰宅する頃には、

それらが頭の中でまだ整理されていないこともあります。

そんな状態で、

「今日どうだった?」

と聞かれても、

「忘れた」

となることがあります。


② 何を話せば親が喜ぶのか分からない

子どもは、

「学校であったことを全部話す」

という発想ではなく、

「親が聞きたいことを話す」

と考えていることがあります。

でも、

何が聞きたいのかは分かりません。

そのため、

「別に」

と答えて終わってしまうことがあります。

「何か面白いことあった?」

より、

「今日、休み時間は何してたの?」

のように、

具体的な場面を聞くと答えやすくなることがあります。


③ 帰宅直後は話す気分ではない

学校から帰ってきた直後は、

子どもにとって、

一日の緊張がようやくほどける時間でもあります。

疲れていて、お腹がすいていて、

早く遊びたい。

そんな状態のときに、

質問を続けられると、

「もういい」

となることがあります。

話を聞くことは大切ですが、

「今すぐ聞かなければ」と焦らなくても大丈夫です。


④ 話すより先に、気持ちを休ませたい

学校でたくさんの人と関わっている子ほど、

家に帰った瞬間は、

一人で過ごしたくなることがあります。

特に、

普段から周囲に気を配っている子は、

家庭に帰って、

ようやく力を抜いているのかもしれません。

そんなときには、

「今日どうだった?」

と聞くより、

「おかえり」「疲れたね」

と迎えるだけでも十分です。


⑤ 話したいことが出てくるまで時間がかかる

子どもは、

質問された瞬間に、

すぐ答えが出てくるとは限りません。

リラックスしている時に

「そういえば今日……」

と話し始めることがあります。

だから、

親が「聞き出す」ことだけを考えなくても大丈夫です。

話したくなったときに話せる関係をつくること。

それも大切な関わりです。


「学校どうだった?」を変えてみる

では、どんな聞き方をすれば、

子どもは話しやすくなるのでしょうか。

ポイントは、

「一日のまとめ」を聞かないこと。

まずは、一つの場面に絞ってみます。

例えば、

「今日、学校どうだった?」

ではなく、

「休み時間、何してた?」

「今日の給食、何だった?」

「体育、何したの?」など。

質問の範囲を小さくすると、

子どもは答えやすくなります。


家庭でできる5つの「話したくなる聞き方」

① 「どうだった?」を「何した?」に変える

「今日どうだった?」は、

とても広い質問です。

そこで、

「今日、体育で何したの?」

「休み時間は何してたの?」と、

場面を絞ってみましょう。

例えば、

「体育どうだった?」

と聞いて、「普通」と返ってきても、

「何したの?」と聞くと、「鉄棒」

「何やったの?」「前回り」と、

少しずつ会話が広がることがあります。

答えやすい質問から始める。

これだけでも、

子どもの反応は変わります。


② 「楽しかった?」より「一番○○だったのは?」と聞く

「楽しかった?」

と聞くと、「うん」

で終わってしまうことがあります。

そこで、

「今日、一番面白かったのは?」

「一番疲れたのは?」

「一番びっくりしたのは?」

と、少し具体的に聞いてみます。

すると、

子どもが一日の中から、

一つの出来事を思い出しやすくなります。

「一番面白かったのは?」

という質問に、

「給食」と答えたら、

「何が出たの?」と、

そこから話を広げることもできます。


③ 「誰と?」を入口にしてみる

子どもによっては、

出来事より、

「人」から話したほうが思い出しやすいことがあります。

「今日、誰と一緒にいたの?」

「休み時間、誰と遊んだの?」

「今日、先生と何か話した?」

など、人を入口にしてみます。

ただし、

「○○ちゃんとは仲良くしてる?」

のように、

親が特定の友達との関係を探るような聞き方になると、

子どもが構えてしまうことがあります。

まずは、

何気ない会話として聞くこと。

それがポイントです。


④ 親が先に自分の一日を話してみる

実は、

子どもに質問するだけでなく、

親が先に話してみるのもおすすめです。

「今日、お母さんね、仕事でこんなことがあったんだ」

「今日、ちょっと失敗しちゃってさ」

そんなふうに、

親自身の出来事を話します。

すると、子どもも、

「僕も今日ね……」

と話し始めることがあります。

これは、

「話しなさい」

と求めるのではなく、

会話の見本を見せる方法です。

子どもにとって、

「こういうことを話していいんだ」

という安心感にもつながります。


⑤ 質問しない時間も大切にする

意外に感じるかもしれませんが、

「何を聞くか」だけでなく、

「聞かない時間」も大切です。

学校から帰ってきたら、

すぐに質問しない。

一緒におやつを食べる。少し遊ぶ。

夕食を食べる。お風呂に入る。

そんな何気ない時間を過ごしていると、

話し始めることがあります。

そのときには、

できる範囲で、手を止めて聞いてみてください。

子どもが話したいと思った瞬間を大切にする。

それだけでも、

「話してもいいんだ」

という安心感が積み重なっていきます。


逆に、こんな聞き方は会話が止まりやすい

子どものことを知りたいと思うほど、

質問が増えてしまうことがあります。

「今日何したの?」

「誰と遊んだの?」

「先生は何て言ってた?」

「宿題は?」

「友達とケンカしてない?」

「ちゃんと授業聞いた?」

もちろん、どれも悪い質問ではありません。

ただ、一度にたくさん聞かれると、

子どもは、

「取り調べみたい」

と感じてしまうことがあります。

大切なのは、

一つ聞いて、子どもの答えを待つこと。

そして、答えてくれたら、

その答えの中から、もう一つだけ質問する。

このくらいのテンポで十分です。


「話してくれない=心を開いてくれない」ではありません

ここは、

お家の方にぜひ知っておいてほしいところです。

子どもが学校のことを話さないと、

「私には何も話してくれない」

「何か隠しているのかな」

と、不安になることがあります。

でも、

学校の出来事を話さないことと、

親を信頼していないことは、

イコールではありません。

ただ単に、

「話す必要を感じていない」

「うまく説明できない」

「今は話したくない」

ということもあります。

だから、

一度の会話だけで、

親子の関係を判断しなくても大丈夫です。


それでも気になるときは「変化」を見てみる

もちろん、

「忘れた」「別に」

が続くこと自体は、

珍しいことではありません。

ただ、

以前はよく話していたのに、

急にまったく話さなくなった。

学校から帰ってくると、

極端に元気がない。

食欲が落ちた。

眠れない日が増えた。

学校に行きたがらなくなった。

友達の話を極端に避けるようになった。

など、

普段との変化が重なっている場合は、

少し丁寧に様子を見てあげたいところです。

「何かあったの?」

と追及するより、

「最近、ちょっと疲れてる?」

「何か気になることがあったら、いつでも話してね。」

と、

話せる余白を残しておくことも大切です。

必要に応じて、

学校の先生など信頼できる大人に相談してみるのも一つの方法です。


親が聞きたいときほど、「話させよう」としない

子どもの学校生活は、

親には見えません。

だからこそ、

「何があったのか知りたい」

と思うのは、とても自然なことです。

でも、

「全部聞き出さなければ。」

と思わなくても大丈夫です。

むしろ、

「話したくなったら、話せる。」

という関係をつくっておくこと。

それが、子どもにとって大きな安心になります。


この記事を通して一番伝えたいこと

「今日、学校どうだった?」

と聞いて、

「忘れた」と返ってくる。

何度聞いても、

「別に」「普通」

それだけ。

そんな日が続くと、

親としては、少し寂しくなることもありますよね。

「もっと学校のことを話してほしい」

そう思うのは、

子どものことを大切に思っているからです。

でも、子どもが話さないからといって、

何も感じていないわけではありません。

話したくても、

何から話せばいいのか分からないのかもしれない。

帰ってきたばかりで、

まだ頭の中が整理できていないのかもしれない。

今はただ、

ゆっくりしたいだけかもしれない。

だから、

「話して!」と引き出すより、

「話したくなったら、いつでも聞くよ」

という場所をつくっておく。

そして、話し始めたときには、

できる範囲で、少しだけ耳を傾ける。

「今日どうだった?」

と大きく聞くのではなく、

「今日、休み時間は何してた?」

「一番面白かったのは?」

「誰と一緒にいたの?」と、

小さな入口をつくる。

そんな関わりの中で、

少しずつ、

子どもの言葉が増えていくことがあります。

子どもから話を引き出すことより、話したくなったときに話せる親子関係を育てること。

それが、

学校での出来事を話してくれるようになるための、

一番大切な土台になります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 「学校どうだった?」と聞いても、毎日「忘れた」と言います。大丈夫でしょうか?

「忘れた」という返事だけで、学校で問題があるとは判断できません。子どもにとって一日の出来事をまとめて話すことは意外と難しいものです。まずは具体的な場面について聞いてみたり、話したくなったときに話せる時間をつくったりしてみましょう。

Q2. 学校のことをまったく話さないのですが、無理に聞かないほうがいいですか?

無理に話させる必要はありません。ただ、「何かあったらいつでも話してね」と伝えておくことは大切です。質問しない時間もつくりながら、子どもが話し始めたときに受け止められる関係を意識してみてください。

Q3. どんな質問をすれば話しやすくなりますか?

「今日どうだった?」のような広い質問より、「今日の給食は何だった?」「休み時間は何してた?」「一番面白かったことは?」など、具体的な場面に絞った質問がおすすめです。

Q4. 急に学校の話をしなくなった場合はどうすればいいですか?

以前はよく話していたのに急に話さなくなった場合は、学校の話をしないこと以外の変化も見てみましょう。元気がない、食欲や睡眠の変化、登校を嫌がるなどが重なっている場合は、子どもへの声かけと合わせて、学校の先生などにも相談してみると安心です。


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