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『体験』が一番の教材!子どもの記憶力を伸ばす「エピソード学習」とは?

「うちの子、すぐに忘れちゃうんです…」
「昨日覚えた漢字を、もう思い出せない」

小学生のお家の方から、よくこんな声を聞きます。
でも実は、「覚えられない子」ではなく、“記憶の仕組みを知らないだけ”のことが多いんです。

脳科学の研究によると、記憶にはいくつかの種類があります。
その中でも特に「エピソード記憶(=体験と感情を伴った記憶)」は、長く定着しやすいことが分かっています。

つまり、
「何を覚えるか」より「どんな体験と結びついて覚えたか」を意識することで、記憶力を伸ばすことができます。


エピソード記憶とは?〜“体験×感情”で覚える脳のしくみ

人の記憶は大きく分けて3つあります。

たとえば、
「昨日の夕ご飯はカレーだった」
「運動会で転んだけど、最後まで走った」
——これらが“エピソード記憶”です。

この記憶のすごいところは、“感情”とセットで残ること。
脳の中では「海馬(記憶の司令塔)」と「扁桃体(感情の中枢)」が同時に働き、感情の強い出来事ほど記憶が強化されます。

だから、子どもが「楽しい」「びっくりした」「悔しい」と心を動かした瞬間こそ、学びのゴールデンタイムなんです。


なぜ「体験」は記憶の定着に強いのか

「好きな教科は覚えが早い」「好きな先生の授業は印象に残る」
そんな経験、ありませんか?

それこそがエピソード記憶の力です。
脳は“意味”よりも“体験”を優先的に記録します。

つまり、
「楽しかった」「自分が関わった」という実感があると、
記憶が長期保存されやすくなるんです。

反対に、「ただ言われただけ」「テキストを読むだけ」では、脳の活動が限定的で、すぐに忘れてしまいます。

スタンフォード大学の研究でも、「感情を伴う学びは、海馬の活性が通常の1.5倍になる」と報告されています。

つまり、
勉強のポイントは「どれだけ詰め込むか」ではなく、
「どれだけ感情が動くか」。

これが、エピソード記憶を活かした“学びの本質”です。


家庭でできる!エピソード記憶を活かす3つの関わり方

ここからは、家庭でもすぐに実践できる「記憶に残る学び方」を紹介します。
どれも特別な教材はいりません。
日常の中で“体験と感情”を意識するだけで、子どもの記憶力は見違えるほど変わります。

① 「一緒に体験して、会話で思い出す」

記憶は「経験のあと」に整理されるときに定着します。
たとえば動物園に行ったあと、
「どの動物が一番印象に残った?」
「キリンの首、近くで見ると長かったね!」

こんな会話をすることで、子どもの脳の中では「記憶の整理」が起きています。

つまり、“会話=記憶の再生”。

帰ってから話題にするだけで、記憶が「短期」から「長期」に移行します。
これが家庭でできる、最高の“記憶トレーニング”です。

② 「教科と生活をつなげる声かけ」

子どもは「意味のある学び」を求めています。
だから、学校で習ったことを“生活の中でつなげる”のがコツです。

たとえば:

  • 「このお菓子、何グラムかな?算数で出てきたね」

  • 「この花、学校の理科でも見たね!」

  • 「ニュースで出てた言葉、社会で習ったね」

このように、「学んだことが日常で使える」と気づくと、
知識が“自分ごと”になり、エピソード記憶として強化されます。

③ 「感情を伴う学びを意識する」

感情が動いた瞬間、記憶は一気に深くなります。
だから、子どもの「楽しかった」「びっくりした」「悔しかった」を丁寧に言葉にして整理するとよいです。

たとえば、

  • 「どうしてそんなにびっくりしたの?」

  • 「悔しかったね。でも次はどうしたい?」

こうした“感情の言語化”は、脳の前頭前野を刺激して、
記憶の整理・理解の促進につながります。

また、ネガティブな体験も「そこから何を学べたか」を一緒に考えることで、
子どもは「自分の経験に意味を見出す力」を育てていきます。


「体験で学ぶ子」は、“生きた知識”を持つ

暗記で得た知識は、テストが終わると忘れてしまうことも多いですよね。
でも、体験を通して得た知識は、何年たっても思い出せる。

たとえば、キャンプで火をおこした経験や、
文化祭でクラス全員で作り上げた達成感。
——それらは「生きた知識」として心に残ります。

教育心理学では、このような「意味のある学び(meaningful learning)」が、
学力だけでなく創造力・問題解決力・共感力にもつながるとされています。

つまり、
家庭で「体験と会話をセットにする」ことが、
子どもの脳と心を育てる最強の学習法なんです。


まとめ:「覚える」より「感じる」を大切に

勉強ができる子は、“感情を伴う学び方”を知っています。

「楽しかった!」
「びっくりした!」
「できた!」

こうした一瞬の心の動きが、記憶のスイッチを入れます。

だからこそ、親として意識したいのは、
「どれだけ詰め込ませるか」ではなく、
「どれだけ“感じる学び”を作れるか」。

体験を通して学んだことは、
テストが終わっても、子どもの人生の中に残ります。

家庭の中で

子どもの「心が動く瞬間」を、学びに変えていきたいですね♪♪


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