「うちの子、自分に自信がなくて心配…」「失敗をすごく怖がる」――こんな悩みを持つお家の方は少なくありません。最近では教育現場でも「子どもの自己肯定感をどう育てるか」が大きな課題となっています。
その解決策のひとつが コーチング的アプローチ。もともとスポーツやビジネスで使われるコーチングですが、子育てや教育に応用すると、子どもが自分を肯定し、自ら考え行動する力を育てることにつながります。
この記事では、家庭や学校ですぐに実践できる「コーチングを取り入れた声かけや関わり方」を、自己肯定感との関係を踏まえて解説していきます。
自己肯定感とは何か?
自己肯定感とは 「自分は大切な存在だ」「できることもできないこともあるけど、それでいい」と思える感覚 です。高い自己肯定感を持つ子どもは、失敗をしても立ち直りやすく、チャレンジ精神も育ちます。一方、自己肯定感が低いと、次のような傾向が出やすくなります。
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「どうせ自分なんて…」とあきらめがち
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挑戦する前から失敗を恐れる
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人と比べて落ち込みやすい
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褒められても素直に受け取れない
では、親や教師はどう関われば子どもの自己肯定感を伸ばせるのでしょうか?そこで役立つのが「コーチング的アプローチ」です。
教育に活かすコーチングの基本
コーチングにはいくつかの基本スキルがあります。その中でも教育や子育てに特に効果的なのは以下の3つです。
1. 承認する(認める)
子どもの「存在そのもの」や「努力の過程」を認めることです。
例:
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「あなたがここにいてくれるだけでうれしい」
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「最後まで取り組もうとしていたね」
結果だけでなく、姿勢や小さな行動に注目すると、子どもは「自分は認められている」と感じやすくなります。
2. 傾聴する
子どもの話をさえぎらず、気持ちを受け止めながら聴くこと。
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「そう思ったんだね」
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「それってどんな気持ちだった?」
と、相手の感情に寄り添うことで「自分の意見を大事にしてもらえた」と感じられます。
3. 質問する
コーチングでは「教える」より「問いかける」ことが重要です。
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「次はどうしたい?」
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「もしもう一度やれるなら、どんな工夫をする?」
このような質問は、子どもに考える力と主体性を育てます。
家庭で使える!コーチング的な関わり方の実例
1. 勉強のとき
NG例:「なんでこんな問題もできないの?」
→ 子どもは自信をなくし、やる気を失います。
OK例:「ここまでよく頑張ったね。次はどこからやりたい?」
→ 子どもが主体的に選び、自分のペースで進められます。
2. ケンカをしたとき
NG例:「あなたが悪いんでしょ!」
→ 自分を否定された気持ちになり、反発が強まります。
OK例:「どうしてそう感じたの?」
→ 自分の気持ちを言葉にできることで、心が整理されます。
3. 習い事やチャレンジのとき
NG例:「もっと頑張らないと上手くならないよ」
→ プレッシャーで逆効果になることも。
OK例:「やってみてどうだった?楽しかった?」
→ 達成感や楽しさを大切にでき、次の挑戦につながります。
教師が実践できるコーチング的アプローチ
学校現場でもコーチングは効果的です。
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授業後に「今日はどんなことが印象に残った?」と問いかける
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学級会で「どうしたらもっとクラスが楽しくなる?」と意見を引き出す
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テストの点数だけでなく「工夫した学習方法」を承認する
教師が子どもを一方的に導くのではなく、「一緒に考えるパートナー」になることで、クラス全体の雰囲気も前向きになります。
親と教師が陥りやすいNG習慣
せっかくの関わりも、こんなNG習慣が続くと自己肯定感を下げてしまいます。
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「なんでできないの?」と否定的な言葉ばかり使う
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親の期待を押しつけて「~しなさい」でコントロールする
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子どもが話しているのに最後まで聞かず結論を言う
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結果だけを評価して、努力の過程を見ていない
こうした習慣は無意識に出てしまうので、意識して変えることが大切です。特に、時間がなかったり、気持ち的に余裕がなかったりする時、このような関わりをしてしまうことってありませんか?後になって、「よくなかったかな」と気付くこともあります。振り返り、改善を重ねていくことで、NG習慣を一つ一つ取り除いていくと、確実に子どもの心へ届いていきます。
まとめ
子どもの自己肯定感を高めるには、特別な教材やトレーニングは必要ありません。大切なのは 「日々の対話の積み重ね」 です。
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小さな努力を承認する
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気持ちを丁寧に聴く
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考えるきっかけになる質問をする
この3つを意識するだけでも、子どもの表情や行動は変わっていきます。
教育にコーチングを取り入れることは、子どものやる気や学力だけでなく、人生を前向きに生きる土台をつくることにつながります。
親も教師も「完璧」を目指す必要はありません。できることから少しずつ取り入れ、子どもと共に成長していきたいですね♪♪
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